どうも、サカモト(@SkmtKari)です。
先日、地域活性学会という学会に参加してきました。
地域活性に関係がある研究者、自治体関係者、NPO、企業などが集い、地域活性のための方法論を議論し合う場です。
9/2-4に実施された第8回研究会の会場は小布施。
観光地としては、栗や葛飾北斎で有名な小さな街です。
ここで食べたモンブランで人生変わりましたねー、懐かしい。
そして実は小布施には別の顔もあります。
まちづくりを研究している人々の中では知らない人がいないくらい、まちづくりの先進地域として有名な街なのです。
人口11,000人の街に、年間1,000,000人を超える人々が観光に来るのです。
今回はそんな小布施で、若者が担う新しいまちづくりの動きについて学んできました。
若者によるスポーツを介したまちづくりの動き
スラックライン「薬師堂 スラックラインパーク」
一つ目は、お寺の副住職さんがはじめたスラックライン。
スラックラインの説明はこちらでご確認を。
会場はなんと、国の重要文化財にも指定されている「浄光寺薬師堂」です。
こんな由緒正しき場所にスラックラインなんて海外から輸入されたスポーツがあるわけが・・・
ありました。
しかもお寺の掲示板でも大々的に宣伝されてる。
法話会の隣にスラックラインパークのチラシが掲載されてるのがシュールです。
こちらがお寺の境内でスラックラインを始められた、薬師堂の副住職さん。
近くのスキー場で夏場のイベントの一環としてスラックラインが出展されていて、試しにやってみたら全然出来なかったので、悔しくて自分でも始めたのがきっかけたらしいです。
最初は自分の関心からスタートしたそうですが、その後「人が集まる楽しいお寺」というコンセプトのもと、お寺の境内を無料のスラックラインパークとして開放したところ、はじめは町外から、次第に町内から人々が集まりだしたとのことです。
特に子どもがお寺に来る理由が出来たことによって、その子のおじいちゃんおばあちゃんも以前よりお寺に集まりやすくなったのだとか。
おそらく意図的に始められたわけではないと思いますが、まちづくりの本質をいくつもついている印象を受け、これは他の地域でも参考になる取り組みだと感じました。
おまけに、とても気さくで清々しい副住職さんでした。
「もしかしたらこの活動って、〈スラックラインが上手くなりたい!〉っていう煩悩から始まっているんじゃ・・・」とは思ってないです。
(お参りにも行きました)
薬師堂の境内には他にも、ツリーハウスやハンモックテントもありましたよ。
これは子どもが喜ぶでしょうね。
ボルダリング「OBUSE OPEN OASIS」
次はボルダリング。
元々は美術館だった場所を、ボルダリングの施設に生まれ変わらせた事例です。
建物はこんな感じ。
円形の特徴的な建物ですね。
元が美術館だったというのもうなずけます。
実は美術館時代には、お客さんが1日に2-3人しか来なかったそうで・・・
「それならばもっと人が来る施設にしたい」と、町がテナントをプロポーザルで募集した中の一つに、このボルダリングの会社があったそうな。
中はこんな感じ。
ボルダリングのホールド(取っ手の部分の名前)が、アルファベットの「O」になっているのがおもしろい。
中は本格的なボルダリング施設!
黒い壁の大部屋と、レンガ風の壁の小部屋があります。
平日の昼間なのにも関わらず、きちんとお客さんが入っていました。
たぶん美術館時代よりはお客さんの入りはいいのでしょう。
スノーボードジャンプ台「小布施クエスト」
こちらはすぐに通り過ぎてしまったので手元に写真はないのですが、日本でもトップクラスのジャンパーである少年少女たちが、真夏だというのにスノーボードでジャンプをしていました。
こんな感じの施設。
気持ちよさそー!
http://www.obusequest.com/
ここも元々は誰もこない公園で、誰も来なすぎて熊が出るような場所だったのを、小布施の若者がジャンプ台を作りたいといったので、町が整地費を負担したという話でした。
土の上の施設の建設費は全額民営で負担させたということ。
整地費だけでも町が負担するというのは太っ腹だし、若者の意見をまちづくりに活かす懐の深さと土壌がある地域だと感じました。
若者が活躍しやすい街
小布施は昔ながらの文化の維持・保存と、新しい文化の取り込み方のバランスが非常に優れている地域でした。
そして後者に関しては、今回ご紹介したすべてのスポーツにおいて若者の意見が反映されており、しかも町が資金を援助している部分もあるということで、若者が活躍しやすい地域だと思いました。
仕事柄様々な地域に訪れる中で、地域によっては未だに高齢者の意見しかまちづくりに取り入れられない現状を目の当たりにしているサカモトとしては、小布施は大変魅力的な地域に映りました。
人口が減ることが確実な現代では、こういう街しか生き残っていかないでしょうね。
小布施のまちづくりに関しては、以下の書籍からも学ぶことができますよ。
興味がある方は手にとってみては。
ではでは。