オモコロで風刺の効いた漫画が書かれていましたね。
おもしろいのでぜひ読んでいただきたいのですが、内容をざっくり説明すると、「雑務課」といういわゆる「窓際社員」が集まる部署に配属になることを「本当の勝者」だと感じる主人公が、「雑務課」に入るために種々の試練を乗り越えていく、というものです。
この漫画の最後のページを読んで、ついつい隠居について思いを巡らしてしまいました。
(リンク先から引用)
隠居と「窓際」と社会的評価
ここで主人公は、何かのコンペで一億の発注を獲得し、仲間から賞賛されている同僚を横目に、「窓際」のエリートコースである部署に飛ばされます。
これって隠居の考えにとても近いと思うんです。
隠居は世間や人間関係から距離を置く行為なので、必然的に社会的な評価からは見放されます。
社会的に意義のあることを実現することや、他者から賞賛を浴びること、すなわち「花形」が得られるものを捨てる代償として、自由な生活を獲得するのです。
中には例外的に隠居後に高い評価を受ける歌川広重や葛飾北斎のような人々もいますが、大体は隠居後は社会から賞賛を受けることはありません。
前に「隠居の本質は「ドロップアウト」や「脱サラ」と似ている」という記事を書きましたが、ここに「窓際」も含めていいのではと思います。
社会的評価を求める人は、隠居には不向き
こういう風に考えていくと、他者からの賞賛や社会的な評価を求める人には、隠居は不向きであると考えられます。
この漫画の主人公のように、会社や同僚からの評価を犠牲にしてもなお、その先にある自由を獲得するために行動することができる人が、真の隠者になれるのです。
やはり何かを獲得するためには何かを犠牲にする必要があるのですね。
今回は思わぬところで隠居について学びを得ることができました。
上記の隠居の本質について書かれていた本は、この本です。
よろしければぜひ。