今日、執筆していた本の原稿を納品しました。
このブログは仮名で書いているので、本のタイトルや中身について具体的には書けないのですが、地域づくりとかコミュニティづくりとかその辺のことについて書きました。
出版される本を書いた経験は今回が初めてだったので、感じたことを書いていきます。
本を書くメリット
最初は書くことを通じて感じたメリットです。
1:体験が整理される
これは本に限らずブログを書くときもそうですが、自分が行ってきたこと、体験してきたことを、読み手を意識して文字に落とし込むことで、それらが整理されます。
自分が何を体験し、そこから何を得てきたのか、何に苦労したのか、何が成功で何が失敗だったのか、などを改めて振り返ることができます。
また過去に行ってきたけれど記憶が薄れてきたことなどを見返す機会にもなるので、そういう意味でも体験を整理するいい機会になります。
実際ぼくもここ数年行ってきたことを本にしたんですが、忘れていることやあやふやなことも多くて、過去のデータや写真を見返して当時のことを思い出しながら書いていました。
2:他の人たちの考えや体験を知ることができる
今回は近い仕事をしている人たちと章を割り振って書く共著だったのですが、普段近しい間柄で仕事をしている人でも、意外とその人がどのような考えで仕事に臨んでいて何を体験していたかを知る機会ってあまりないんですよね。
共著だと、自分の原稿と他の人の原稿の整合性を取るために、他の人が書いた部分にも目を通すんですが、その過程で一緒に活動をしていた人の考えや体験を知ることができました。
そのことによって、自分の仕事をより広い視野で捉えることができました。
今回のことがなければ、なかなか十分にこのような機会を得ることはできなかったように思います。
3:自分たちの活動が世の中に公表される
これは出版後になると思いますが、本を書くことによって自分たちが行ってきた活動が世の中に知れ渡ります。
どれくらい話題になるかにももちろんよりますが、日本では「本を書いた」ことによって活動や著者に対する信頼度が上がったり、自分たちの活動に対する説明を省くことができる(本を渡せば済むから)ので、出版後のメリットはかなり大きくなることが予想されます。
活動を拡大したり、世の人たちに信頼してもらうツールとして、本を書くことは有効だと思います。
本を書くデメリット
一方、本を書くことに対するデメリットももちろんあります。
1:時間がかかる
執筆はとても時間がかかります。
書くこと自体もそうなんですが、他の人のチェックに対して原稿を書き直したり、他の人の文章の変更に対して自分の担当部分も書き直したりという調整にかかる時間がとにかく多いです。
もちろん他の業務を行いながら執筆を行うので、そのための時間を確保するのが大変です。
これはかなり精神的にも肉体的にもしんどかったですね。
もう少し自分の原稿に対する裁量が大きければよかったのですが、今回は初めての体験でしたし、共著だったので多少はやむを得ないと思い、辛抱して書きました。
2:「自分の文章」になりにくい
このように他人のチェックがかなり入り、加筆修正も多いので、ブログで書くような「自分の文章」にはかなりなりにくいです。
実際今回は全体構成を担う人たちの多大な加筆修正が入ったので、それを自分の言葉に置き換えるのにとても苦労しました。
可能な限り努力はしましたが、やはり少しは自分が書くものとは違う表現の文体が出てしまったように思います。
普段ブログで好きなように文章を書いているぼくにとっては、これはかなりしんどかったですね。
3:文字数が決められている
今回の書籍の原稿は、文字数があらかじめ割り振られていました。
そのため、自分が伝えたいことをかなり厳選して書くことが求められます。
これはある程度は文章の質を上げるために必要な制限なのですが、やはり伝えたいことを伝えるにはそれなり文字数が必要です。
今回は15,000字が上限だったのですが、正直もっと書きたかったです。
もう共著の本は書きたくありません
というわけで、今後は共著の本はなるべく書きたくありません。
章をまるごと担当させてもらえるなら話は別ですが、あまり自分の裁量で書くことができないことが今回結構ストレスだったので、今後はなるべく単著の本を書くことを目指していきたいと思います。
あ、もちろん編集者の方との調整に関しては話は別ですよ。
それは本の質を上げるために不可欠なことだと思ってますので。
ブログを書くときの技術については、イケダハヤトさんのこの書籍が入門編としては参考になります。
よろしければぜひ。